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税務だけを優先した事業承継の落とし穴

コラム

事業承継を検討する際、「税務メリット」を第一に考えるケースは少なくありません。
しかし、税務だけを優先するあまり、承継そのものの本質から外れてしまう危険性もあるのです。

以下では、「税務優先」がもたらしやすい3つのリスクについて解説します。

① 事業承継の本質を見失うリスク

税務対策としてよく検討されるのが、株価を下げるという方法です。
一見、贈与税や相続税の圧縮には有効に見えるかもしれません。

しかし、無理に会社の利益や資産を減らすことで株価を引き下げる行為は、「事業を継続させる」という本来の目的と真逆の行為になりかねません。

大切なのは、税金を抑えることではなく、事業そのものを未来につなぐことです。

② 遺留分トラブルの火種に

たとえば、税務上の評価を下げたとしても、相続の場面では“遺留分”の計算基礎は相続時点の価値になります。

優良企業ほど、相続時には株価が回復または上昇していることが多く、「贈与時には安かったはずの株式が、相続時には高く評価されてトラブルに発展する」という事態も珍しくありません。 法務の専門家であれば、税務と遺留分の関係性を見逃すことはありません。
承継後の家族関係を壊さないためにも、総合的な視点が欠かせません。

③ 自社株の分散がもたらすリスク

かつては、自社株を複数の親族に分けて贈与する「分散承継」も行われていましたが、現在では後継者への株式集約がスタンダードです。

税金対策として株式を少しずつ複数人に贈与してしまうと、のちのち「少数株主の権利」が問題化するリスクが高まります。

近年では、株式買取業者による買い取り・経営への介入など、家族経営を揺るがす事例も増えています。 「家族円満」や「企業の一体性」を守る観点からも、自社株は集中管理が原則です。

だからこそ、事業承継は“多面的な専門性”が必要です

税務だけではなく、法務・家族関係・組織設計・資産設計など、多角的な視点から設計された事業承継プランこそが、将来のトラブルを防ぎ、真に安心できる対策につながります。

当事務所では、司法書士・行政書士・民事信託士・事業承継士・宅地建物取引士・1級FP技能士の立場から、中小企業経営者に寄り添った“実行可能な事業承継”をご提案しています。